太陽光発電の売電にまつわるバランスが、2020年に大きく変わりました。
以前は固定価格買取制度(FIT)を使い、
「発電した電気を電力会社に売って利益を得る」という活用方法が主流でした。
しかし2009年にスタートした固定買取期間も10年の期間満了で順次終了していきました。
今後はそれぞれの家庭で、各電力会社や新電力会社と新たに買取契約を結ぶことになります。
これを「卒FIT」といいます。
太陽光をはじめとする“再生可能エネルギー”普及のために制定された、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことをいいます。
発電した電気は電力会社が買い取ることを国が義務づけており、10年間は買取価格が固定で保証されていました。
今まで高額な単価で買取されていた理由は、「再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)」によるもの。電力会社による買い取り費用の一部は、利用者から再エネ賦課金として集め、コストが高い再生可能エネルギーの導入を推進していました。
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
FIT開始当初は売電単価が非常に高かったため、自分で使うよりも売ったほうが利益を得られました。しかし「卒FIT」に向けた大手電力会社のプランでは、その多くが8円/kWh前後となっています。2011年までに太陽光発電システムを設置した方の売電価格は42円/kWhだったので、卒FITによって売電収入はおおよそ80%程度減少する計算になります。
例えば・・・
【2011年に太陽光発電システムを導入したお客様の場合】
それまでの42円/kWhから8円前後/kWhへと、およそ1/5まで下落します。これによって年間で116,500円、10年で約120万円も売電収入が減少することになります。
東日本大震災があった2011年以降、電気代は20%以上も上昇しています。2021年度の値上げ幅は、経済産業省によると標準的な家庭(1カ月260kWh使用)で年間1,188円です。電気自動車の普及やあらゆる生活用品のIoT化で、ますます電気の需要が増えるいっぽう、消費税引き上げ、原発処理費の負担、原油価格の高騰などにより、今後も電気代は上がり続けていくとみられています。
また再エネ賦課金も、2012年度の0.22円/kWhから、2021年度には15倍の3.3円/kWhに急増。標準家庭の年額にするとなんと10,476円に。電気代の一部である、この再エネ賦課金も上昇の一途をたどっています。
FIT終了後、法律にもとづく電力会社の買取義務はなくなります。
電力会社への売電価格が大幅にダウンしたことで家庭では今一度、電力の使用状況の見直しが必要となりました。
その後の余剰電力に関して、資源エネルギー庁は2つの選択肢を示しています。
売電価格は年々「下降傾向」に、逆に電気料金は年々「上昇傾向」となると、新たな売電単価は購入電気単価を下回ります。これからの時代、高くなる電気代を抑えるには、まず「家庭用蓄電システム(蓄電池)」を導入し、購入電気量を減らす「自家消費」を検討してみてはいかがでしょうか?
ご自宅に設置された “ 太陽光発電システム”と、ご提案する “ 蓄電システム”を組み合わせれば、
昼は太陽光の電気、夜は蓄電池の電気でまかなえ、
電力会社から買う電気を減らすことができます。災害時の停電も、
蓄電池があれば最低限の電気が使えるので安心です。